MENU
【ドクター監修】分かる!治る!いちばんやさしいヘルニアサイト » ヘルニア治療法のすべて

ヘルニア
治療法の
すべて

椎間板ヘルニアの治療について、PLDDの第一人者として知られる伊東くりにっくの伊東院長にインタビュー。最も効果的とされる治療法とそれを受けるための費用、復帰できるまでの期間などについてお聞きしました。

ヘルニア完治のために知っておきたい【治療のすべて】

ヘルニアって治るの?費用は?期間は?ヘルニアを完治させるためには、その治療についての基本的な理解が欠かせません。そんなヘルニア治療について、「浪速のブラックジャック」こと、ヘルニアのレーザー治療の第一人者・ドクター伊東に聞いてみました!

解答:伊東くりにっく院長 伊東信久先生

ヘルニアって、自然には治らないんですか?

伊東先生:そもそもヘルニアとはどういうものかと言いますと、背骨の場合、腰で5つ、首で7つの骨が積み重なっているわけなんですけど、間に軟骨のクッションがあるんですね。その軟骨は、固まりがポツンとあるのではなくて、中にお饅頭のあんこみたいなものが入っているんですよ。それがだんだんつぶされていくと、とつぜんプチュっとでる。

そのプチュっとでるというのがヘルニアなんで、放っておいて治るというのは、なかなか難しいんじゃないかなというのが、ヘルニアが治るのかなという質問に対する答えです。

では、ヘルニアは治療すれば治りますか?

伊東先生:神経の圧迫さえ治せば、治るという観点では、治せる可能性はあると思いますね。

ヘルニアの手術をするとして、お金はいくらくらいですか?

伊東先生:入院して切開手術をすると、入院費を含めて30万くらいかかると思うんですね。さらに、その間にお仕事も休むわけです。退院したら終わりというわけではなくて、そこからリハビリになる。

仮に私のとこでレーザー治療をしたとしたら、100万近くかかってしまうことがあるんですけど、入院して30万、だけどリハビリでお金がかかり、その間仕事もできないとなると、損失としては100万近くにはなるので、結局は同じような損失になると思いませんかね?

レーザーは、確かに5分くらいで終わります。手術は1時間したら必ず帰れます。それからすぐ治る方もいれば、半年くらいかかる方もいらっしゃいます。

ヘルニアが完治すると、どうなるのですか?

伊東先生:うちのクリニックでは、治ったかどうかは、医者が決めるのではなく、患者さんが決めるんですね。つまり、痛くなくなったら、歩けるようになったら、治ったと感じてくれるわけです。

ほとんどの患者さんというのは、1~2ヶ月くらいで治ってしまうと、そこでMRIをとったら、残念ながらもう来られないんですよ。患者さん自身が来られないから、それ以降診てないんですね。まあ、治った患者さんは、来ませんね(笑)。

ヘルニアが100%治る方法はあるんですか?

伊東先生:ドラマじゃないんですが、私100%失敗しません、と言っています。つまり、手術をすることによって、どこかを傷つけたり、傷めたりすることはないんですね。

じゃあ手術の結果、100%治るかと言うと、これは本当に患者さんに差があるんですね。

しかし、医者たるもの、外科医たるもの、100%は目指したいとは思っています。

電気治療編

電気治療でヘルニアは治りますか?

伊東先生:医者の立場からすると、電気治療はあくまでも一時しのぎの治療なんです。筋肉を刺激して血流を良くすることで痛みが緩和されますが、筋肉か筋膜にある痛みが緩和されるだけでなので、根本までは治療できないんですね。

筋肉の炎症が原因の腰痛であれば電気治療は効果的ですが、腰の骨や椎間板に原因がある場合は痛みを一時的に和らげるだけになります。

例えば、椎間板が痛みの原因となっているヘルニアの場合だと、電気を当てても神経を圧迫している椎間板がひっこむことはないので、痛みの原因はなくなりません。ただし、ヘルニアの影響で患部の周りにある筋肉からも痛みが出ていると、マッサージで一時的に良くなる可能性はあります。

電気治療はどのように痛みを和らげてくれますか?

伊東先生:神経が圧迫されると、神経から痛みを知らせる物質があらわれます。その物質の指令によって、神経の周りにある筋肉が炎症を起こすんですね。炎症を起こした筋肉に電気治療を施して刺激を与えると、刺激によって鎮痛物質があらわれて痛みを和らげてくれます。

電気治療を行わなくても痛みを感じないケースもありますよ。運動しているときは痛みがないのに、運動した後で痛みが起こったことはありませんか?それは、痛みを引き起こす物質が出るのと同時に、痛みを感じさせないアドレナリンという物質が出ているんです。

運動を止めてアドレナリンが放出されなくなると、痛みを感じるようになります。別の物質が放出されて痛みの出方が変わるだけで、痛みそのものがなくなるわけではありません。

電気治療を受けるのにメリットはありますか?

伊東先生:医師から治療を受けていいという診断があると、電気治療は保険診療になります。保険診療は治療費の自己負担額が自由診療よりも少なくなり、頻繁に通えるのがメリット。

ただし、1クリニックでの治療は1回につき3ヶ所程度が限度で、全体に電気をかけられません。同じ日に別の整骨院にかかろうとしても、保険診療は効かなくなるので注意が必要です。

電気治療は病院と整骨院・接骨院で違いはありますか?

伊東先生:病院内設備で行われる電気治療器を使ったリハビリと、外の整骨院・接骨院で受けられる電気治療に違いはほとんどありません。同じ治療器をどこで使うかの違いになります。違うのは、施術場所と治療器のメーカーくらいのものです。

ただし、場所がネックになる場合があります。大きな病院の整形外科だと、治療に加えてマッサージを受けられる場合が多くて併用しやすいですが、町の整形外科や整骨院の場合は患者さんの奪い合いに発展しかねないのです。

ちなみに、電気治療とマッサージもやっていることはほとんど同じです。人の手で行うか機械で行うかが大きな違いになります。マッサージは技術が必要なので、施術者次第で上手・下手に差が出ますね。マッサージと電気治療を組み合わせているところも多くあります。背中に低周波を当てながら足にマッサージを施すことで、全身効率良く施術できるでしょう。

しかし、腰の骨や椎間板が原因の腰痛だと根本的な治療にはなりません。時間が経てばまた痛みが出てくるので、「通えば治る」という言葉は鵜呑みにしないことをおすすめします。

痛みを楽にするために、整骨院・接骨院に通ってもいいですか?

伊東先生:患者さんに「整骨院に通ったらもっと楽になるらしいので通いたいんですけど、どうでしょうか?」と聞かれたら、私は「行くのは構いませんが、治ると思って行くと最終的に腹が立つことになるので、費用対効果を考えて通ってくださいね」とお答えしています。

なぜなら、マッサージや整骨院の中には治療のずさんな施術者がいる可能性があるからです。全員がそうではありませんが、中には「西洋医学では分からなくても、私なら腰痛を治せます」や、「人間の体は自然に治るようにできているため、自然治癒力を高めるためにはマッサージが効果的。薬は本来毒なので、飲んではいけません」などといい加減なことを言う人もいます。

よく科学VS自然のような言い方をされますが、科学と自然は対極にはありません。科学を否定する東洋医学至上主義のような整骨院、またはその逆の思想を持つ病院があるので、話が極端になっています。

東洋医学では分からないこともありますが、だからといって東洋医学がまやかしだとも思いません。東洋医学は漢方に代表されるように人に優しく、西洋医学は優しくないのかというとそれも違います。どちらも人間が使うもので、お互いの良いところを融合すればいいだけです。

整骨院やマッサージに行くときは、筋肉をほぐすために利用すればいいと思います。マッサージや鍼灸が気持ちいいと感じるなら、活用すべきです。電気治療やマッサージそのものは悪いものではありません。ただし、施術してくれる人の言葉に惑わされないようにしたほうがいいでしょう。

足裏マッサージ編

足裏マッサージでヘルニアは治りますか?

伊東先生:足裏マッサージで腰の疲れを言い当てて、ツボの効果から劇的にヘルニアが改善されるかというと、答えはノーです。足裏をもめば万病が治るということを提唱されている人もいますが、少なくとも腰痛の場合には当てはまりません。医者でも、レントゲンやMRIを見ないと原因は分からないからです。

治療という観点でいうと、患部へのマッサージや電気治療よりも直接的な効果は薄いので、気持ち良さを楽しむために行くぐらいが丁度いいでしょう。

足裏マッサージの効果とはどんなものですか?

伊東先生:足裏マッサージを受けると、血流やリンパの流れが良くなってスッキリします。そのために通うのは良いことなのではないでしょうか。

足先は心臓から遠い部分なので、血行が滞りやすい部位です。足裏をもむことがポンプの役割となり、血の巡りが良くなって元気になります。何よりも足のむくみが取れて足取りが軽くなるでしょう。

実は私も偵察を兼ねて、マッサージや整体に通っています。もちろん、素性は明かさずに(笑)。

効果はある?マッサージによるヘルニア治療

整体・矯正編

整体や矯正を受けると、骨盤のゆがみは取れますか?

伊東先生:骨をバキバキ鳴らすような整体や矯正を受けると骨のゆがみが取れるというのは、勘違いでしかありません。実際、バキバキ鳴らす整体を受けたことで、腰痛が悪化した人をこれまでに何人も診てきました。私自身も受けたことがありますが、気持ちいいときもあれば悪化したときもあります。

おそらく、良い悪いの境目は鳴らすときの体を反らせる角度と力加減ですが、矯正時に何を基準にして骨がゆがんでいると判断しているのかが不明瞭なんですね。

医学的に、「何度曲がっていると背骨がゆがんでいる」という基準はありません。そもそも骨が変形していると、外からの圧力で元に戻るわけがないんです。

整体や矯正は受けないほうがいいですか?

伊東先生:背骨は椎骨が積み木のように重なっています。それをまっすぐにするために、外から圧力をかけるのは無理がありますね。ゆっくりと時間をかけて矯正のように治すならまだ分かりますが…。

けん引などの外的装具は整形医科学的には多少の意味があると思いますが、骨自体がゆがんでいる原因が骨粗鬆症なのであれば、外から圧力を加えると骨折してしまいます。そのため、あまり骨をバキバキ鳴らすような整体・矯正はおすすめできません。バキバキ鳴らして腰痛が完治した人を見たことがないのですから。

なぜ骨に圧力を加えるとバキバキ音が鳴るのですか?

伊東先生:骨に圧力をかけると音が鳴るのは、一説によると骨の中に溜まった空気が外からの圧力を受けて鳴るものだといわれています。普段からその部位を動かしていないから鳴るだけです。その人の柔軟性によって、鳴る・鳴らないが決まります。音が鳴るまで動かすのは、「それ以上はNG」という体からの警鐘と捉える必要がありますね。

整体や矯正を受けて骨が鳴ってしまうのは仕方がないですが、できれば鳴る前に止めたほうがいいんです。一番良いのは、無理に鳴らそうとしないことですよ。

椎間板ヘルニアに対する整体・矯正の効き目

鍼治療編

鍼治療でヘルニアは治りますか?

伊東先生:鍼治療で腰の痛みが軽減できたという話を患者さんから聞くことがあります。ただ、鍼治療がヘルニアそのものを治してくれるわけではありません。実際、鍼治療の施術士さんに聞いても「治る」という言葉はおっしゃらないですね。

その一方で、筋肉による腰の痛みはとてもよく取れる施術だと感じています。

私自身も、学生時代にラグビーで肩を痛めたことがありました。切開手術を行う前に鍼治療を試したところ、劇的に回復して手術を避けられたんです。

ただし、ヘルニアのような腰の骨や椎間板に異常がある腰痛の場合、痛みの原因は筋肉の奥にあるので、鍼だけでは根本的な治療はできません。鍼治療は、痛みを軽減する対処療法として併用するのがおすすめです。

鍼治療は、なぜ筋肉の回復に効くのでしょうか?

伊東先生:鍼治療は、筋肉に鍼を刺すことで刺激を与えます。刺激を感じた筋肉が鎮痛物質(エンドルフィン) を出すので痛みを抑えてくれます。その上、施術することで筋肉がほぐれて血流が良くなり、痛みの軽減につながるのです。

また、腕の良い鍼灸師は奥のほうの筋肉まで鍼を通せるため、マッサージ以上の痛みの緩和が期待できます。

私がヘルニアの治療でおすすめするPLDDレーザーの後には、マッサージや鍼治療が効果的です。腕の良いマッサージの先生や鍼灸師に、レーザー治療後の患者さんをお任せすることもありますよ。

早く回復を望むなら、マッサージよりも鍼治療がおすすめです。

東洋医学の力・鍼炙のヘルニア治療効果とは

けん引治療編

けん引とはどんな治療法ですか?

伊東先生:重力や圧力で押されてつぶれてしまった腰椎や椎間板を、逆に伸ばして治しましょうという考え方がけん引治療です。

痛みの原因となるヒザや両足、腰にベルトを巻き、5~数十キロの重りを使って体を伸ばします。

入院して行う持続けん引と外来で行う間欠けん引があり、どちらも引っ張るのと休むのを20分ほど繰り返しながら続けます。

あまりに強い力で引っ張ると体が対抗して筋肉が萎縮してしまい、逆に痛みが強まることも。そのため、けん引治療は適度な強さで引っ張ることが大切です。

けん引治療でヘルニアは治りますか?

伊東先生:腰椎を引っ張ることでヘルニアによる神経の圧迫が少なくなり、筋肉の緊張が解けて血流も良くなるので、痛みやしびれは取れやすいですね。

しかし、水平方向に突出したヘルニアの出っ張りを、垂直方向に引っ張って戻すのは物理的に無理です。24時間引っ張り続けるのも難しいので、緩和されたとしても一時しのぎでしかなく、重力には逆らえません。

さらにヘルニアと神経が時間の経過によって癒着を起こしている場合は、引っ張ることで痛みが増すおそれがあるので、注意が必要です。その場合はかかりつけ医と相談しながら、治療の一部としてけん引治療を取り入れるといいでしょう。

私のクリニックでもPLDDレーザー治療の後に、腰の負担を和らげてもらう目的でけん引治療を取り入れていますよ。

椎間板ヘルニア対策として期待される牽引治療の効果

投薬・サプリメント編

投薬治療にはどんな効果がありますか?

伊東先生:投薬治療とは、体内で痛みを誘発する物質を薬の投与によってブロックする方法です。投薬方法には、飲み薬と注射による注入の2つがあります。

飲み薬の場合、非ステロイド系の抗炎症薬がよく処方されていますね。痛みが起こると筋肉が弛緩して硬くなり、痛みを増幅させる可能性があるので筋肉弛緩剤を処方することもありますよ。

また、痛みを誘発する物質は同時に胃の粘膜を保護する物質もつくるので、痛みをブロックすると胃の粘膜を保護する物質までブロックすることになってしまうんですね。胃が荒れる可能性があるので、飲み薬と一緒に胃薬も処方されます。

注射で痛みをブロックする場合は、痛みの原因になっている部分に注射で薬を投入します。注入する場所で神経根ブロック、硬膜外ブロックと呼ばれていますね。

注入する薬剤は、ステロイド剤や局所麻酔剤などが使用されています。比較的長く痛みを取れますが、痛みの原因を根本から取り除いてくれないので、椎間板ヘルニアの根本的な治療とはいえません。

サプリメント摂取にはどんな効果がありますか?

伊東先生:医者から加齢によるヘルニアと診断されると、若さを取り戻せば治るかもと思いがちですが、それは間違いです。しかし、「関節の痛みがなくなる」「細胞が若返る」などという商品の謳い文句に惹かれて、健康食品やサプリメントを買い込む人は少なくありませんね。

購入するなとは言いませんが、健康食品やサプリを摂取することで腰痛や痛みが治ると本気で思っているならば、摂取を止めることをおすすめします。健康食品は、健康を維持するためには摂取したほうがいいのかもしれませんが、サプリメントに効果を求めると腹が立ちますよ。

近ごろ人気を集めているグルコサミンやカルシウム、ヒアルロン酸などのサプリは摂らないよりも摂った方がいいというぐらいの効果しかありません。

摂取したカルシウムが運良く腰やヒザにピンポイントで効いてくれるかどうかは、確かめる術がないんですよ。実際のところ、「ヒザが治る」と保証された商品はありません。ヒザに効く、ヒザに効果的などと、可能性の話になっていますね。効くか効かないかの2択でいうと効きますが、健康的な食事でも同じくらいの効果があります。

私はサプリメントを飲むなとは言いません。自分の健康を維持するためには、費用対効果を見極めてから摂取するかしないかを選択してほしいといったところです。

椎間板ヘルニアの痛みに効く投薬治療を解説

骨盤ベルト編

骨盤ベルトにはどんな効果がありますか?

伊東先生:骨盤のゆがみが健康を損なうというマスコミの記事をきっかけに、ブームとなった骨盤ベルトですが、医師の立場からみた骨盤ベルトって「筋肉の代わりのようなもの」なんですよね。骨のゆがみを整えるというよりも、腹筋背筋の代わりとして装着することで、腰にかかる負担が分散されて楽に感じるのではないでしょうか。

しかし、長時間骨盤ベルトを装着していると、本来ついている筋肉が弱ることになります。楽だからといって骨盤ベルトだけに頼り過ぎる生活を送ってしまっては、もともとついていた筋肉が怠けて弱くなるのです。筋肉の衰えた体だと、腰痛を治すという本来の目的が達成できません。

伊東先生はヘルニアの治療に骨盤ベルトをすすめていないのでしょうか?

伊東先生:はい。私が患者さんに骨盤ベルトをすすめるのは、痛みを感じている間の補助アイテムとしてですね。骨折をしていない限り、2~3週間までを装着期間としています。

運動する際のぎっくり腰対策として、一時的につけて腰椎周りを強化しておくのもおすすめです。

骨盤ベルトやコルセットなどを「ずっとつけていてください」なんていう医者は信用できないと考えています。時間を区切り、あくまで筋肉を補助する器具として使用してほしいです。

腰をサポートする器具として、どんな骨盤ベルトを使うといいでしょうか?

伊東先生:本来の筋肉が衰えないよう、ゴム製で伸縮性のあるものがおすすめですね。コルセットのようにきつく固定するのもよくないので、幅は狭めのものがいいでしょう。

腰を骨盤ベルトでギュッと絞ると安定感が増すように感じられますが、きつく締め付けるのはヘルニアの治療には厳禁なんですよ。骨や筋肉の可動域を狭めてしまうため、自分の体を甘やかすだけで治療にはならないんです。

骨盤ベルト・コルセットのヘルニアに対する効果

運動編

運動することでヘルニアは治りますか?

伊東先生:運動によって予防はできても、椎間板ヘルニアを治すのは無理ですね。ねんざや肉離れなどは、日頃の運動で予防できます。神経が何かに挟まれて圧迫されているような痛みがあるなら、運動することで痛まなくなるかもしれません。

しかし、そもそもの原因となっているヘルニアが運動によって消滅するなんてことはありません。内臓疾患を運動で治そうとしても治らないのと一緒です。むしろ悪化するおそれがありますね。

運動で全身に筋肉痛が起こることで、一時的に腰痛を感じにくくなる可能性があります。しかし、筋肉痛が始まると腰痛がこれまで以上に浮き彫りになり、さらに痛みが増す…という悪循環に陥る患者さんもいます。

運動は腰痛の予防になりますか?

伊東先生:筋肉を鍛えていると、腰痛になりにくいのは事実です。しかし、痛くなってから鍛えるのは手遅れなんですよ。そもそも筋肉は骨を支えるガードルのようなもので、腰痛になってから鍛えても腰痛を治してはくれません。痛みの度合いによりますが、ひどく痛むときに運動するのは逆効果です。「腰が痛い」と言っている年配の人に向かって「腰痛を治したかったら運動してください!」なんて指示はひどい話ですよ。

運動で予防したければ、まずは痛みがなくなるのを待ちましょう。そうしないと余計に痛みがひどくなり、腰痛が悪化しかねません。筋肉隆々のスポーツマンでも腰痛持ちが多くいます。腰痛は筋肉不足のせいと決めつけるのは間違いなんです。

どんな運動が腰痛に効果的ですか?

伊東先生:スポーツジムに通うよりも、日頃から歩く習慣を身につけてください。人間は前に進むようにできているので、歩行のような前方向へ動くことがおすすめです。毎日歩いているだけで、背筋もそこそこ鍛えられます。

ヒザに痛みがあって歩くのが難しい人は、片足を30秒ほど上げるだけでも構いません。毎日続けることが大切です。続けることで、筋肉は十分に鍛えられます。

また、老若男女におすすめなのが「椅子に姿勢よく座り、お腹をへこませる運動」です。結構しんどい運動ですが、お腹をへこませるのは腹筋を使うことにつながります。背筋を伸ばしてお腹をへこませるので、同時に背筋も動かせるんですね。

週に何十回も顔を真っ赤にして腹筋・背筋をするよりも、毎日続けられるこの運動のほうが効果的といえます。

フィットネスインストラクターの美木良介さんが提唱したダイエット法「ロングブレスダイエット」が流行しましたが、原理はこの方法と同じです。ロングブレスダイエットは、非常にゆっくりと息を吐き続ける呼吸法が取り入れられているので、お腹に力が入って腹筋・背筋を鍛えられます。しかし、お年寄りにやってもらうと酸欠になる危険性があるため、「お腹へこまし運動」で十分です。

医者から筋肉不足による軽度の腰痛を指摘された人は、長時間悪い姿勢をとり続けている点を指摘されています。そのため、筋肉強化より腹筋・背筋のバランスと姿勢を見直してみましょう。

意識的にいつもの姿勢を正すのは難しいので、まずは腹筋と背筋のバランスを整えるのが始めやすいですよ。

まとめ:病院以外の治療との向き合い方について

病院以外の治療が選ばれるのはなぜでしょうか?

伊東先生:腰そのものに異常がある腰痛は、痛みの症状が筋肉から出ている場合がほとんど。痛む部分を鍼やマッサージなどで表面から押すと、筋肉がほぐれて痛みが緩和されます。筋肉に刺激を与えることで、筋肉自体から痛みを打ち出す物質を筋肉の外へ放出し、痛みを減らすのです。

マッサージで楽になった人は、運動しても痛みが軽減されます。運動して血の巡りを良くするのは、マッサージの流れと一緒です。ただし、痛みがあるときに運動するのは難しいため、マッサージが選択されやすいでしょう。

鍼やマッサージ、運動は筋肉の痛みを取るだけなので、対処療法に分類されます。ただし、対処療法でも痛みが緩和される期間が長ければ、患者さんは治ったとイコールで捉えるでしょう。

要は、「緩和効果の持続期間」が患者さんにとって大きなポイントになります。緩和できる可能性を求めて、医者や鍼灸、マッサージ、カイロプラクティック、接骨院、整体院のどこにでも通うのです。

また、根本的に治療するために「手術」を選ぶと、費用面にリスクが伴います。そのため、根本を解消するメリット・デメリットを天秤にかけて、「完治」よりも痛みの緩和に重きを置いた「保存療法」が選ばれるのです。

病院以外の治療とどのように向き合っていけばいいのでしょうか?

伊東先生:病院以外の治療として、電気治療や足裏マッサージ、整体・矯正などさまざまな方法があります。このうちのどれを選ぶかは、費用対効果、つまり痛みが緩和するまで継続できるかどうかがカギになりますね。

腰痛の治療を受ける人が最も望んでいるのは、「辛い痛みから解放される」こと。根本的な治療ができなくても痛みが出なければいいわけです。

いつまで痛みから逃げ切るかは「寿命との勝負」になります。いずれにせよ、病院以外のプラスαの治療を受ける際は、治すよりも痛みを遠ざけるという気持ちで取り入れていくのがポイント。

「トータルで見ると手術のほうが時間もお金もかけずに済んだかも…」とならないよう、治療を受けるときは期限を決めておくのが大切です。

「効果的な治療法とは」動画のサムネイル画像

次の動画

手術は10分足らず!2時間あればその日に退院OK!メスを使わず、最小限の負担で治癒率95%!そんな、常識を覆すようなヘルニア治療があることを知っていますか? 「浪速のブラックジャック」こと、ドクター伊東が語る、おどろきのヘルニア治療とは?ヘルニアに悩む方は要注目です!

「ヘルニアは治る?効果的な治療法とは」
動画をチェックする

知っておきたいヘルニア治療法をピックアップ

ヘルニアの治療法にはどのようなものがあるのかを詳しく知りたい方に、よく行われているものから注目される最新の治療方法まで厳選して紹介します。

ヘルニアのレーザー治療

ヘルニアのレーザー治療のイメージ画像

手術は10分足らずで、入院なし!
レーザーの力を使った画期的な治療法

椎間板ヘルニアの治療方法の中で最も注目されています。従来の切開手術と比べ肉体的にも精神的にも患者の負担が少なくて済むからで、レーザー照射で椎間板を空洞にして萎縮させることで飛び出し部分を無くします。

詳しく見る

ヘルニアの切開手術

ヘルニアの切開手術のイメージ画像

改善が見られない患者に行う
外科的な治療法

保存治療で改善が見られず、患者が痛みやしびれに耐えられない場合に行われる外科的な治療法です。3種類ありますが患部をどのような方法で見ながら手術をするかという違いだけでヘルニアを切除する意味では同じです。

詳しく見る

ラブ法

全身麻酔をうって行われる切開手術

背中を5~6センチほど切開し、靭帯の一部ごとヘルニアを摘出する手術。手術時間は30分から最長2時間ほどで、入院期間は術後1~3週間が目安。周りの神経を傷つけないように細心の注意を払いながら、ヘルニアを切除していきます。

詳しく見る

安静治療

椎間板ヘルニアの初期に行われることが多い

椎間板ヘルニアの初期(急性期)には患部を動かさずに、安静治療を行うことがよくあります。根本治療ではないですが神経の損傷が拡がるのを防いだり、湿布などで炎症を抑えることを第一に考えて行われるものです。

詳しく見る

整体・矯正

椎間板ヘルニアの初期や予防に効果を発揮

体のバランスを整えて背骨の正常な状態を取り戻すことを目的とするもので、椎間板ヘルニアに対する治療法として評価が高まっています。ヘルニア初期に効果が高く、整体を行うことでヘルニア発症の予防にもなります。

詳しく見る

マッサージ

血流やリンパ循環を改善することで痛み軽減

手指を使って圧迫しすることで血流やリンパ循環を改善する治療法でリハビリの一部にもマッサージは導入されています。筋肉の緊張や循環障害の痛みは軽減しますが、それでけでヘルニアが完治するわけではありません。

詳しく見る

鍼治療

痛みや体の不調の改善を行う東洋医学の一つ

針をツボや患部に刺すことによって痛みや体の不調の改善を行う東洋医学の一つです。痛みは筋肉が緊張して起こることが多いため、鍼治療の筋肉を柔らかくする効果で、ある程度は椎間板の痛みを軽減することができます。

詳しく見る

牽引治療

骨の隙間を広げたり伸ばして改善する物理療法

首や腰などを引っ張ることで骨の隙間を広げたりズレを矯正する目的で行われる物理療法です。首の牽引では頭部の重みによる頚椎への負担を軽くしたり、腰の牽引では背骨を伸ばして椎間板の炎症を抑える効果があります。

詳しく見る

投薬による治療

痛みを取り除くための飲み薬とブロック注射

根本的治療ではないですが痛みを取り除くために行われ、飲み薬によるものと注射によって痛みをブロックする方法の2種類があります。飲み薬は自宅でも続けられ、ブロック注射は痛みの悪循環を改善することができます。

詳しく見る

監修医情報

Supervision

伊東信久先生

伊東くりにっく院長 伊東信久先生

形成外科、整形外科、脳神経外科、麻酔科など、幅広い分野で医療に携わり、2006 年に伊東くりにっくを開業。日本では数少ない椎間板ヘルニアのレーザー治療専門のクリニックとして、著名人をはじめヘルニアで悩む多くの方の治療に携わる。

伊東くりにっくの公式HPを見る

電話で問い合わせる