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胸椎椎間板ヘルニア

「椎間板ヘルニア」という病気の名前は見聞きしたことがあるという人が多いですが、「胸椎椎間板ヘルニア」になるとそんなに知名度はありません。ここでは、椎間板ヘルニアと胸椎椎間板ヘルニアの違いや、胸椎椎間板ヘルニアの症状・治療方法について詳しくご紹介していきます。

胸椎椎間板ヘルニアは誰にでも起こり得る病気。自分や家族にもいつ起きるか分からないので、しっかりチェックしておきたいですね。

胸椎椎間板ヘルニアとは?

胸椎椎間板ヘルニアとは何なのか。椎間板ヘルニアとの違いや希少性についてご紹介します。

椎間板ヘルニアとの違い

まずは「椎間板」についてさらっとご紹介します。人の背骨の構造は、上から7つの「頚椎」、12の「胸椎」、そして5つの「腰椎」に分かれています。「椎間板」と呼ばれているものは胸椎や頚椎たちの間にあってクッションの役目を果たしているもののことです。椎間板や胸椎たちを含めたこの背骨全体が、身体をしっかり支える大黒柱として重要な存在。脳からの指令や神経を他の部位(手足など)へ伝える役割も担っています。

「椎間板ヘルニア」と呼ばれる病気は、背骨の内にある椎間板の組織が突然突出してしまう現象のこと。もしも突出した椎間板が頚椎なら「頚椎椎間板ヘルニア」、胸椎なら「胸椎椎間板ヘルニア」、腰椎なら「腰椎椎間板ヘルニア」と呼ばれるようになるわけです。

椎間板が突出してしまうとその周囲にある神経や骨を圧迫・刺激してしまい、身体のいたる部位に悪影響を及ぼすことになります。具体的に言えば、しびれや痛みといった症状ですね。他にも、上手く筋力を使うことができないといったリスクも考えられます。

特に胸椎椎間板ヘルニアだと、付近にある脊髄を圧迫してしまいやすいため、お腹周りや足にまで悪影響が及ぼされることも有り得ます。

胸椎椎間板ヘルニアはとても稀

「椎間板ヘルニア」と見聞きしたとき、大抵の人は腰痛などをイメージするでしょう。実際に椎間板ヘルニアと呼ばれる病気は、腰痛などに関連する「頚椎椎間板ヘルニア」や「腰椎椎間板ヘルニア」がほとんど。胸椎に病気が発生する「胸椎椎間板ヘルニア」はヘルニアの中でも極めてまれな症状とされています。年間で100万人に1人発症する程度の、ごく稀な病気なのです。

そのため胸椎椎間板ヘルニアは知名度がとても低く、多くの人が用心・警戒しないという面でも危険性があります。胸椎椎間板ヘルニアの症状である「肩甲骨の痛み」や「背中のしびれ」といった症状が出たとしても、胸椎椎間板ヘルニアであると自分で気づける人もそんなにいません。また、痛みやしびれを訴えて病院へ行ったとしても、胸椎椎間板ヘルニアであると診断されないケースも少なくはないのです。

知名度が低くめったにあらわれない病気だからこそ、胸椎椎間板ヘルニアの症状と少しでも疑う余地があるなら、すぐに病院で検査をしましょう。セカンドオピニオンも重要ですから、いくつかの病院へ行き、複数の医師から診断を受けることも大切。胸椎椎間板ヘルニアは放っておいて治る病気ではないので、病院の医師と協力して対処していきましょう。

稀な病気なので誤診されることもある

頚椎椎間板ヘルニアや腰椎椎間板ヘルニアと比べてみると、胸椎椎間板ヘルニアはとても稀な病気です。そのため医師の診断を受けたとしても、患者さんの抱えている痛みやしびれの原因が胸椎椎間板ヘルニアだと気づけないケースも少なくはありません。

誤診の例としては、「頚椎疾患」や「腰椎疾患」、または背中や腰のねんざなどと言われることがあるようです。また、腹痛や胸の痛みがある場合は循環器疾患や消化器疾患との誤診を下されるケースも。

一度で確実に胸椎椎間板ヘルニアの診断結果が表れるとは限りません。そのためセカンドオピニオンが非常に重要になってきます。一人の医師だけではなく、いろんな医師の目から診断を受けてください。

胸椎椎間板ヘルニアで現れる症状

胸椎椎間板ヘルニアがどんな病気なのかが分かったところで、実際に起きる症状をいくつか見ていきましょう。胸椎椎間板ヘルニアになると以下のような症状が出ます。

体幹~下肢の筋力低下や知覚鈍麻

胸椎の椎間板がヘルニアになってしまうと、身体中の神経や脳の命令伝達を担う脊髄を圧迫し、悪影響を与えてしまいます。その結果、体幹を維持できなくなったり、下半身の筋力が低下・もしくはしびれや脱力感を覚えることになってしまいます。具体的に言えば、歩こうとすると上手く歩けず足がもつれてしまったり、ふらついたり、転ぶ回数が増えたり…。階段を降りることに不安を覚え、手すりを使わないと上手く階段を上り下りできないというのも、胸椎椎間板ヘルニアの有名な症状です。

また、下半身に力が入らず、上手く立ったり歩けなくなったりといった症状も現れます。しびれや脱力感の他に、足に痛みを覚える胸椎椎間板ヘルニアの患者さんもいるようです。運動障害を伴うような痛み・激痛で日常生活に支障をきたすケースもあります。

膀胱・直腸障害

胸椎椎間板ヘルニアになると、お腹の周りに力が入らなくなってしまうこともあります。胸やお腹の周りにしびれるような違和感を抱えることになり、これが悪化すると上手に排泄行為ができなくなってしまいます。おしっこをしようとしても上手く膀胱に力が入らず、スムーズな排尿ができなかったり、あるいは漏らしてしまうことも。おしっこを済ませられたとしても、残尿感が残って気持ち悪い思いをすることや、尿道に違和感を覚えることもあるようです。頻尿というケースもあります。

このような膀胱障害が起きて病院へ行ったときに、原因不明と診断された場合には、胸椎椎間板ヘルニアを疑う余地があります。症状が酷くなれば、自力で排尿できなくなることもあるためよく注意したいですね。

稀な病気なので誤診されることもある

頚椎椎間板ヘルニアや腰椎椎間板ヘルニアになる確率と比べると、胸椎椎間板ヘルニアはとても稀な病気です。そのため医師の診断を受けたとしても、痛みやしびれの原因が胸椎椎間板ヘルニアだと気づけないケースも少なくはありません。誤診の例としては、「頚椎疾患」や「腰椎疾患」、または背中や腰のねんざなどと言われることがあるようです。腹痛や胸の痛みがある場合は循環器疾患や消化器疾患との誤診を下されるケースもありえます。

症例数が少ないため、一度で確実に胸椎椎間板ヘルニアだと判断されるとも限りません。治療でなかなか改善が見られない場合は、セカンドオピニオンが非常に重要になってきます。一人の医師だけではなく、いろんな医師の目から診断を受けてください。

胸椎椎間板ヘルニアで現れる症状

胸椎椎間板ヘルニアの特徴が分かったところで、実際に起きる症状をいくつか見ていきましょう。胸椎椎間板ヘルニアになると以下のような症状が出ます。

体幹~下肢の筋力低下や知覚鈍麻

胸椎の椎間板がヘルニアになってしまうと身体中の神経や脳の命令伝達を担う脊髄が圧迫され、悪影響が表れ始めます。体幹を維持できなくなったり、下半身の筋力が低下・もしくはしびれや脱力感を感じたり、といった症状が出てくるでしょう。歩こうとしても上手く歩けず足がもつれてしまったり、ふらついたり、転ぶ回数が増えたり…と歩行が難しくなります。階段を降りることもに不安を覚え、手すりを使わないと上手く階段を上り下りできないというのも、胸椎椎間板ヘルニアで起こりうる症状です。

下半身に力が入らず、上手く立ったり歩けなくなったりといった症状も現れます。しびれや脱力感の他に、足に痛みを覚える胸椎椎間板ヘルニアの患者さんもいるようです。運動障害を伴うような痛み・激痛で日常生活に支障をきたすケースもあります。

膀胱・直腸障害

胸椎椎間板ヘルニアになると、お腹の周りに力が入らなくなってしまうこともあります。胸やお腹の周りにしびれるような違和感を抱えることになり、これが悪化すると上手に排泄行為ができなくなってしまいます。おしっこをしようとしても上手く膀胱に力が入らず、スムーズな排尿ができなかったり、あるいは漏らしてしまうことも。おしっこを済ませられたとしても、残尿感が残って気持ち悪い思いをすることや、尿道に違和感を覚えることもあるようです。頻尿というケースもあります。

このような膀胱障害が起きて病院へ行ったときに、原因不明と診断された場合には、胸椎椎間板ヘルニアを疑う余地があります。症状が酷くなれば自力で排尿できなくなる可能性があるため、よく注意してください。

肋間神経痛のような痛み

胸椎椎間板ヘルニアの症状として、「肋間神経痛」の症状を訴える人もいます。肋間神経つとは、背中から胸の前の方にかけてある肋骨の部分に沿った痛みのこと。脇腹辺りの痛みも肋間神経痛にあたります。

肋間神経痛の痛みは、原因である病気や個人差によってそれぞれです。「電気が走るようなビリビリした痛み」「ジクジクと長時間にわたって持続する痛み」などなど…。主に脇腹あたりに痛みを感じることがほとんどですが、脇腹以外にも背中や胸の全面、そしておへそあたりと痛みを感じる部位も様々。場合によっては足の付け根あたりにも痛みを感じることがあります。

肋間神経痛の原因は脊椎の腫瘍や脊椎関連の病気、もしくは胸椎椎間板ヘルニアであるとされています。肋間神経痛は右側もしくは左側と、左右同時に痛みが起きないのも特徴です。

胸椎の構造について

胸椎とは背骨を構成している骨たちの一部位であり、上側にある頚椎と下側にある腰椎の間に位置する、12個の骨から構成される部位のことです。この12個の胸椎は、12対の肋骨と連続しているという特徴があります。そのため胸椎椎間板ヘルニアでは肋骨に悪影響が及ぼされ、肋間神経痛になってしまうという特徴があります。

また、胸椎は後ろ側にカーブ(後湾)しており、ほとんど動くことはありません。

胸椎椎間板ヘルニアの診断・治療法

実際に胸椎椎間板ヘルニアと診断された場合には、どんな方法で治療するのでしょうか?胸椎椎間板ヘルニアを診断する方法や、実際の治療方法についてご紹介します。

MRIやCT検査

胸椎椎間板ヘルニアは背骨に関係する病気。そのためレントゲンによる診断がほとんどですが、残念ながらレントゲン(単純X線)ではハッキリと「胸椎椎間板ヘルニア」だと診断できるケースはありません。下半身のしびれや締め付け感といった、患者さんの抱えている症状と照らし合わせながら、脊髄の圧迫症状が見られる場合にはMRIやCT検査をします。MRIやCT検査の結果、脊髄が圧迫されていると分かれば胸椎椎間板ヘルニアだと診断されます。

また、胸椎椎間板ヘルニアは手術をする際にもCT検査などを必要とします。いずれも症状を訴えてレントゲン検査をするだけでは胸椎椎間板ヘルニアだと診断できないので、原因不明の症状がある際には早めに脊椎脊髄病の専門医に診断をお願いすると安心です。

もし胸椎椎間板ヘルニアを疑っているなら、レントゲン(単純X線)での診断ではなく、MRI検査を積極的に行いましょう。

手術で治療することがほとんど

胸椎椎間板ヘルニアになったら、薬物療法やリハビリテーションよりも手術で解決することがほとんどです。胸椎椎間板ヘルニアに用いられている手術方法は、骨を移植して背骨を固定する「前方固定術」と、後方から椎間板を切除する「後方除圧術」の2種類が主になります。

前方固定術では、身体の側方から椎間板を切除してしまい、そこに骨を移植することで背骨を固定します。移植してきた骨が定着するまでに期間がかかるのが特徴です。

対して後方除圧術では、首の付け根から背中にかけてを切開し、ヘルニアになっている部分を削ります。削った部分には、背骨の一部を切り取ってきて移植。骨が足りない場合は腰などの骨を切り取ってきて移植します。

胸椎椎間板ヘルニアが発覚してからは、できるだけ早めに手術をするのが理想的です。また、胸椎椎間板ヘルニアの手術は決して簡単なものではありません。そのため手術を依頼する病院や医師もしっかり吟味して、信頼できる病院や医師に手術をお願いしましょう。心配であれば、セカンドオピニオンを探すのも大事です。

ちなみに胸椎椎間板ヘルニアの治療として行う手術には、神経麻痺のリスクが伴います。ですが、ヘルニアを放置しておくのも大きなリスクです。症状がどんどん進行して歩けなくなったり麻痺が酷くなったりするので、リスクを考えた上で手術に臨むのが良いと覚えておいてください。「症状を完ぺきに取り除く」というよりは、「症状の進行を食い止める」のが手術のねらいです。

薬やリハビリでは改善できない

頚椎椎間板ヘルニアや腰椎椎間板ヘルニアでは、薬物療法を用いたりリハビリテーションを行って症状を緩和していくのが主。ハリを使って痛みを緩和することもありますが、胸椎椎間板ヘルニアに至ってはそのような治療方法は効き目がありません。薬やハリではしびれや痛みは改善できないのです。

胸椎椎間板ヘルニアの症状を改善するには、手術を行うのが最も一般的です。症状があるにもかかわらず手術をしないで放置していると、症状がどんどん進行していき、下手をすれば歩けなくなることもあります。

胸椎椎間板ヘルニアは進行性の病気ですから、症状の進行を食い止めるためにも早めの手術が必要です。手術のためには早期発見が欠かせないので、信頼できる専門医を訊ねたり、セカンドオピニオンに努めたりしましょう。

特別な予防・改善法もない

腰椎の椎間板ヘルニアなどでは、座り方や普段の姿勢、生活習慣などでヘルニアを予防したり、再発を防いだりする方法があります。ところが胸椎椎間板ヘルニアに至っては特別な予防方法がありませんから、多くは「急に痛みやしびれなどの症状があらわれた」といった印象になります。症状を自覚してから改善・緩和しようと予防策を講じるのも、あまり効果は期待できません。

胸椎椎間板ヘルニアに至っては、早めに病院で診断を仰ぎ、手術をするのが効果的です。素人ができることはほとんどないので、専門医から診断やアドバイスを貰い、セカンドオピニオンなどを通して早めの対処を心がけましょう。

発症する人に共通点はない

あらゆる病気には、発症する人にある程度の関連性や共通点が見られますが、胸椎椎間板ヘルニアに至っては特別に発症者の共通点は見られません。男性・女性のどちらでも同じくらいに発症したケースがあり、明らかな性差は見られない状況。年代も20歳代~40歳代と、成人した男女に見られています。

そのため「私に限って」といったことはなく、誰でも発症を警戒しておいて損はありません。もちろん自分だけではなく、身の周りにいる家族や知人・友人にも発症の可能性は0とは言い切れないので、胸椎椎間板ヘルニアで起きる症状やリスク、診断方法について、しっかり頭の片隅にとどめておいてくださいね。

監修医情報

Supervision

伊東信久先生

伊東くりにっく院長 伊東信久先生

形成外科、整形外科、脳神経外科、麻酔科など、幅広い分野で医療に携わり、2006 年に伊東くりにっくを開業。日本では数少ない椎間板ヘルニアのレーザー治療専門のクリニックとして、著名人をはじめヘルニアで悩む多くの方の治療に携わる。

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